『夜間飛行』 サン=テグジュペリ
『そのとき、彼らがもし、友情のために君に服従するとしたら、君は彼らを裏切ることになる。君には、個人として他人を犠牲にする権利なんかまるでありはしないのだから』
(中略)
『部下の者を愛したまえ。ただそれと彼らに知らさずに愛したまえ』
愛し方は人それぞれ。。。そして愛される方の受け取り方も人それぞれ。
理解や同情を相手に求めない。
馴れ合いと雰囲気がいいのは違うし、仕事上はこのほうがいい時もあるかな。
たくさんの孤独を抱えることになると思うけど。。。
でも、職位が上になればなるほど、孤独も大きくなって当たり前かな。
『事業と、個人的幸福は両立せず、相軋轢するものだからだ』
これは、、、嫌だなあ。
主人公がとっても任務遂行に忠実で熱心で、自分自身に課したハードルがあまりにも高いので。。。なのでは?
文中に出てくる『孤独が持つ美しさ』という言葉からは、美しさを見出すことで自分を正当化しているようにも思えた。
そうすることでしか、自分の存在を認めざるをえなかったのかもしれない。
『勝利だの・・・敗北だの・・・とこれらの言葉には、意味がない。生命はこうした言葉を超越して、すでに早くも新しい表象を準備しつつあった。
(中略)
大切なのは、ただ一つ、進展しつつある事態だけだ。』
夜間飛行の最後のほうの一部分。
主人公は、どんな状況でも任務遂行の中にのみ、自分の生きがいを見つける。
いや、他をあえてみようとしなかったのかもしれない。
そのほうが、きっと主人公にとっては幸せだったのかも。
フランス文学って、
ちょっとフニャフニャしてて、理解しがたいのではないか?
と勝手な先入観を持っていたけれど、
主題が明確で、余計な部分がかなり削ぎ落とされている感じがして、
そのおかげかシンプルで洗練さが増してるような感じがした。
カバーの装画は、宮崎駿。
そうだった!宮崎駿は、飛行機が大好きでしたね♪
何をどれくらい大事にするのか?は、当たり前だけど、みんな違う。
個人として違いが許される程度のものは、
違っていても全然OKなはずなのに、なかなか難しいなあ。
自分の常識は、相手の非常識。。。
家族観でも微妙に違ったりする。
まずは相手ありき。
あとは交渉かな♪